所得税と住民税は紐づいている
私は、仕事で社員が定年前に受講するPLPセミナー
(年金セミナー)に関わっています。その中で、企業年
金を受給することになった場合、確定申告をしてくださ
いとお伝えしています。
企業年金は、公的年金と違って全く控除することなく、
受給額から直接7.6575%の源泉徴収がされているからで
す。
勿論、定年後働きながら企業年金を受給する場合は、2
箇所以上からの収入があるということになるので、必ず
確定申告をしなければなりません。
しかし、定年で退職して働かなくなった場合は、企業年
金だけの受給で受給額が400万円以下であれば確定申
告不要制度が適用されます。
そこで、「確定申告」が面倒くさいからといって実施しな
ければ、源泉徴収された税金は還付されないということ
になります。
また「年金」は雑所得となる為、翌年の住民税等の算定
にも含まれます。
「確定申告」をしなければ、源泉徴収された税金は1円
も還付されず、住民税は課税所得の約10%になる為、
住民税もそのまま徴収されることになります。
「所得税」と「住民税」は紐づいているのです。
確定申告で控除してもらう項目について
年金の源泉徴収された税金を精算する為には、確定申告
しか手段がありません。定年後、企業年金を受給しなが
ら働いていて、年末調整しても企業年金の受給分の精算
は含まれないのでご注意ください。
年金の公的年金等控除額は次の通りです。
・65歳未満で受給額が130万円以下なら60万円
・65歳以上で受給額が330万円以下なら110万円
※上記条件に当てはまらない方は、個別計算が必要です。
以上のような控除額があるので、企業年金を60歳から
受給している方は年間60万円までなら、非課税になり
ます。確定申告をすることによって、7.6575%の源泉徴
収分の税金は必ず還付されます。逆に年間60万円を超
えた場合は超えた金額分に所得税率が適用されます。源
泉徴収された金額で不足が出た場合は「追徴」というこ
とになります。
なお、「追徴」になるからといって確定申告をしない場
合は、【脱税】となるのでご注意ください。
そして、仕事をリタイヤしてから年金受給のみで確定申
告する場合に忘れがちな控除が、国民健康保険料や介護
保険料です。「確定申告」で社会保険料等控除に含むこと
ができます。確定申告する年の1月~12月までの領収
書を役所へ依頼して取り寄せましょう。
年金受給額が多い人程、国民健康保険料や介護保険料
は多く徴収されています。そこで確定申告をすること
によって、翌年の住民税や国民健康保険料や介護保険
料を下げることにつながると思います。
これも、面倒くさいからといって確定申告しなければ
住民税や社会保険料の算出も、年間の所得から算出さ
れることになるので、下げることができなくなります。
私の夫の経験からお話すると、夫が年金受給者になっ
た時に確定申告を面倒くさがっていました。
夫には「騙されたと思って確定申告してみたらどう?」
と提案し、国民健康保険料と介護保険料の領収書を取
り寄せて、個人で加入している保険料も控除額に入れ
て確定申告をし、少額でしたが源泉徴収されていた所
得税を還付してもらうことができました。
そして、翌年の住民税は数万円から数千円に下がった
と言う経験があります。
その時に確定申告不要制度は、面倒くさくて確定申告
しない人から税金を多めに徴収して、還付しなくても
いいという国にとっても都合のいい制度なんだと思い
ました。
確定申告について
私も現在の仕事につくまでは、年末調整も何に対して
しているのか、理解しておらず人事から言われるまま
提出物を出して何となくやり過ごしていました。
勿論「確定申告」という行為に対しては、とても難し
そうで、できることなら一生関わりたくないとも思っ
ていました。
しかし、「確定申告」をしなければならなくなったキッ
カケがあり、嫌々ですが実施することになりました。
折角するのならと、色々調べてみると扶養家族全員分
の医療費控除もまとめて申告することができるという
こともわかった為、扶養家族である高齢の両親分と夫
の分の医療費控除も同時にするようにしました。
お恥ずかしい話ですが、「確定申告」を実施して自分の
所得税率を知りました。年末調整だけでは意識しなか
った所得税率でしたが、「ふるさと納税」にも深く関わ
ることなので、意識しなければならないことだと反省
した次第です。
また、私の仕事柄の雑感ですが企業年金を受給しなが
ら働いている場合は必ず「確定申告」をしなければ、
企業年金の源泉徴収分の精算はできないのですが、年
末調整で完了していると思い込んでいる人が多いよう
な気がします。
まとめ
「確定申告」は「知らないと損をする」という典型的
な行為だと思います。
また、「確定申告」は自己責任なので他人の分をするこ
とが出来ません。(税理士は別です)
今は、e-taxで自宅からパソコンやスマホで「確定申告」
できる時代になっていますので、対象になると思う方は
自分の為に「確定申告」を実施しましょう。
